顧客満足度を高め、リピーターとなってもらうためには、利用者の意見を知り、その意見に基づいた施策を考えることが有効です。そして、利用者の意見を知るための方法としておすすめなのが、アンケートをとること。本記事では、どういうアンケートをとればいいのか、どう分析すればいいのか、分かりやすくご紹介します。また、実際の事例についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。【1.ホテル経営におけるアンケート分析の重要性】ホテルのリピーター、もしくは、新規の宿泊客を獲得するためには、顧客満足度を高める必要があります。なぜなら、ホテルが満足度の高いサービスや設備を提供することができれば、宿泊客に満足してもらい、リピーターとして次の機会にも宿泊、もしくは、口コミ等によりホテルの評判が高くなり、新規の宿泊客の獲得につながる可能性が高まるからです。しかし、宿泊客から口頭による指摘やフィードバックでは記録に残らないだけでなく、宿泊客の属性、および、どれくらいの数の宿泊客が同様の意見を持っているのか、が把握できません。そのため、顧客満足度を記録として残し、定量的、あるいは、定性的に調査・分析するために重要な方法として「アンケート」が挙げられます。【2.アンケート分析のメリット】アンケートによる調査・分析のメリットとしては、「宿泊客からの忌憚のない意見を受け取りやすい」、「満足に感じている、あるいは、不満に感じている宿泊客数の規模感が把握できる」等があります。つまり、宿泊客からのフィードバックを定性的、および、定量的な形で記録として残すことができます。また、ホテル側としても「宿泊客に聞きたい項目や内容を設定できる」というメリットもあります。それらのメリットを活かせる「アンケート分析」は、ホテルに対する顧客満足度を高めるためのヒントを掴むための方法として、ホテル経営において重要な生き残り戦略のツールとなっているのです。【3.アンケート分析の流れとポイント】アンケート分析の流れと、それぞれの段階におけるポイントは次の通りです。アンケート分析の目的を設定アンケート分析を効果的に実施するためには、まず、アンケート分析の目的を設定することが求められます。「アンケート分析を通じて、料理に関する満足度を分析したいのか、従業員の顧客対応の品質を分析したいのか、ホテルの設備の充実度合いを分析したいのか」等、どのような観点で分析を実施したいのか、を事前に設定する必要があります。アンケート分析の目的を設定しなければ、「アンケートを集計してみたものの、何のための分析だったのか」が曖昧になり、顧客満足度の改善につながらない可能性が高くなります。また、次の段階であるアンケート項目・形式の設定等も効果が薄れてしまいます。そのため、アンケート分析の目的は重要な取り組みとなります。アンケート項目・形式の設定アンケート分析の目的を設定した後は、アンケート項目や形式の設定を実施します。アンケート項目では、例えば、「5段階評価の選択式にするのか、あるいは、記述式にするのか」を検討します。ある程度、定量的な分析をしたいのであれば、5段階評価のような選択式が適しており、一方で、宿泊客のリアルな意見やフィードバックをもらいたい場合は、記述式が適しています。また、宿泊客の負担を極力減らすために、アンケート項目が多すぎないように設計することも重要となります。次に、アンケート形式では、例えば、「紙のアンケートにするのか、あるいは、アプリやPCを利用したWeb形式のアンケートにするのか」を検討します。比較的、高齢層の宿泊客が多いホテルなら紙のアンケートが適している場合がありますが、一方で、若年層の宿泊客が多いホテルならWeb形式のアンケートが適している場合もありますので、状況に応じて検討することが望ましいです。また、ホテルの宿泊客の属性ごとに満足度が違う可能性もあるため、宿泊客の性別・年齢層等も質問内容に加えておけば、詳細な分析を実施することができます。アンケートの実施アンケートの設計が完了した後は、実際に宿泊客に対して「何に満足し、何に不満を感じるのか」を調査します。効果的なアンケートを実施するためには、多くの回答を得る必要があります。そのため、宿泊客が積極的に回答するための施策として、アンケートに回答した宿泊客には、特典や割引等のインセンティブを提供することが効果的です。例えば、ホテル独自のタオル、お菓子、あるいは、ホテルの割合クーポンや、周辺施設や商店街等の商品券等です。このように、宿泊客にとって、ホテルのサービスの改善以外のメリットを提供しておくことで、アンケートの回答率や回答数が高まります。アンケート結果を基にした改善策を検討アンケートの結果を集計した後は、結果を基に改善策、あるいは、新しいサービスの検討を実施します。アンケート分析の目的によって、改善・新規開発すべき部分は異なりますが、例えば、従業員の対応が指摘されている場合であれば、改めて研修を実施する必要があります。また、「最寄り駅からホテルまでの距離が遠い」という指摘があれば、送迎サービスの検討が必要となります。アンケート結果に応じて、既存の設備・サービスを改善するのか、新しいサービスを導入するのか、を検討し、宿泊客の満足度を向上させることが、ホテル経営の業績向上につながります。【4.ホテルにおけるアンケート分析の事例】ここでは、ホテルにおけるアンケート分析の事例をご紹介いたします。セラヴィリゾート泉郷セラヴィリゾート泉郷では、宿泊客に対して、ホテル全般の満足度、スタッフの対応、客室、食事等について、7段階評価の選択式と具体的な意見を記載する記述式でのアンケート分析を実施しています。以前は紙のアンケートを実施していましたが、集計作業に手間と時間がかかっていたため、スマートフォン経由でのアンケートに切り替え、運用をおこなっています。具体的には、アンケートページにアクセスするためのQRコードを紙に印刷し、これをチェックインやチェックアウト時に宿泊客へ渡しています。宿泊客がアンケートの冒頭で宿泊した施設を選択すると、施設ごとの質問が表示されるようになっています。例えば、愛犬と泊まれる施設「八ヶ岳わんわんパラダイス」を選択した宿泊客には、愛犬向け設備についての質問が表示されます。そのため、「どの施設の、どの設備・サービスについての改善等が必要か」が明確にでき、適切な対応を実施できています。ホテル おかだホテルおかだは神奈川県の箱根に位置しており、箱根や周辺地域を楽しむための宿泊客が日々、利用しています。その中で、接客ノウハウが属人化されているとの課題感を持っており、宿泊客から「ここから富士山まで行きたいのだがどうすればよいか?」という質問があった場合に、回答できる従業員と回答できない従業員がいることが分かりました。そこで、宿泊客へのアンケートを通じて、「どのような場所や観光施設へ行くのか」という質問を集計し、従業員が回答すべき内容をホテル内で共有するようにしました。その取り組みによって、接客に対する顧客満足度の向上を図っています。まとめ宿泊客の満足度を向上させるためにアンケート調査は有効な手段となるもの。しかし、これまでアンケート調査は全くしたことがない、という方にとって、アンケートを作るということはハードルが高い分野でしょう。そういう方におすすめなのが、アンケート作成サービスを使用すること。当社iDEAKITTの「タナカさん」は、AI(人工知能)によるアンケート作成機能やさまざまな業種のアンケートテンプレートを豊富に用意しており、これまでアンケートを作成したことがない方でも、調査したい内容に合わせたアンケートを簡単に、すぐに作成することができます。また、アンケート調査の実施から結果の分析まで行うことで、課題の改善点をいち早く見出すことができます。経営やサービス改善を目指す担当者様をしっかりサポートする「タナカさん」。顧客満足度向上のための施策を模索中の担当者様、ぜひ一度、無料でお試しください。無料プランで「タナカさん」を試してみる 【参考URL】・的確な課題分析×IT 導入で 旅館の収益改善 ―神奈川県 ホテルおかだ・アンケート調査活用でホテルの顧客満足度向上! 具体例も紹介ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーhttps://www.webcas.jp/casestudy/case302/https://www.j-smeca.jp/attach/article/article201907_19-22.pdfhttps://www.asmarq.co.jp/column/howto/cshoteltemplate/