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2024/6/27
デジタルマーケティングの領域では、データに基づいた意思決定が成否を分けます。
そのため、散在するマーケティングデータを一元的に管理・分析するためのマーケティングダッシュボードは、今やマーケターにとって必須のツールとなっています。
本記事では、マーケティングダッシュボードの役割と機能、効果的な活用方法について、実例を交えて深く解説します。

マーケティングダッシュボードとは、マーケティングデータを管理・分析するもの。
具体的には、
KPI可視化・進捗管理
設定したKPI(重要成果指標)をリアルタイムに一覧できるため、目標達成度を常に把握
パフォーマンス分析
売上、費用対効果、コンバージョン率など、あらゆるマーケティングデータを多角的に分析
データ統合一元管理
Google アナリティクス、マーケティングオートメーションツール、広告プラットフォームなどのデータを一か所に集約
このような3つの主要な役割を担います。
有力なダッシュボードツールとしてGoogle データポータル、Tableau、Looker、Microsoft Power BIなどがありますが、これらの役割を果たすためにマーケティングダッシュボードには
KPIビジュアライズ機能
セグメント分析機能
ドリルダウン機能
データブレンディング機能
スケジューリング機能
アラート通知機能
などの機能が備わっています。
マーケティングダッシュボードを最大限活用するには、KPIの適切な設定が欠かせません。KPIとは企業や部門の目標につながる主要な成果指標のこと。
一般的に設定されるマーケティングKPIは以下のようなものです。
トラフィック(サイト訪問数、ページビュー数など)
リード(見込み顧客獲得数)
コンバージョン率(購入率、問い合わせ率など)
ROI(広告費収益率)
CAC(顧客獲得コスト)
LTV(顧客生涯価値)
これらのKPIを明確に設定し、ダッシュボード上でリアルタイムに進捗を確認できるようにすることが重要です。目標値に対する達成率がわかれば、施策の適否を判断しやすくなります。
加えて、製品カテゴリや地域、デバイスの種類などでセグメント分けを行い、KPIを多角的に捉えられるようにするといいでしょう。
マーケティングダッシュボードの最大の強みは、様々なデータソースから収集した豊富なデータに基づき、マーケティングパフォーマンスを多角的に分析できる点にあります。
具体的には以下のような分析が可能です。
チャネル別のパフォーマンス比較
自社Webサイトの価値
SEO施策の効果
メールマーケティングの貢献度
ソーシャルメディアマーケティングの影響
各広告チャネル別の費用対効果
ユーザー行動の分析
流入経路ごとの行動パターン
訪問デバイスや地域による違い
コンテンツの関心度合い
コンバージョンまでのプロセス追跡
マーケティング施策の分析
新しいランディングページの改善効果
新規キャンペーンの投資対効果
プロモーション時の売上貢献度
リマーケティング施策の効果検証
各種データをドリルダウンしながら、パフォーマンスの好調/不調要因を突き止めていくことが可能です。一部の指標のみに注目するのではなく、マーケティング全体を多面的に分析し、改善点を見つけ出すことが肝心です。
マーケティングダッシュボードは有効に活用すれば大きな効果が期待できますが、適切な導入と運用が欠かせません。
以下のポイントに留意しましょう。
ニーズに合わせたダッシュボードツールの選定
予算、データソース、ユーザー数、セキュリティ要件などに応じて最適なツールを選びます。
データソースの統合と整理
ウェブ解析、MAツール、CRMなど、必要なデータソースを統合し、無駄のないデータ設計をします。
KPIの設定とパフォーマンスビューの作成
目標達成に必要なKPIを設定し、ビューを適切に作成します。
運用体制とガバナンスの構築
データの信頼性担保、アクセス権の設定、バックアップなど、適切な運用ルールを定めます。
ダッシュボードの定期的な見直しとブラッシュアップ
ニーズの変化に応じてダッシュボードの改修を行い、常に最適な状態を維持します。
ダッシュボード導入後もPDCAサイクルを確実に回し、改善を重ねていくことが大切です。
マーケティングダッシュボードの導入には一定の初期費用と手間がかかりますが、導入することで下記のような効果が期待できます。
リアルタイムにKPIを把握できるため、迅速な意思決定が可能 。根拠に基づく施策立案ができ、ムダな投資を防げる。
ユーザーの行動データを徹底解析できるため、新たな気付きが得られる。
マーケティング施策の効率化が図れ、収益最大化につながる。
部門を越えたデータ共有により、組織横断的な施策立案ができる。
マーケターの仕事は本質的にデータ分析力が極めて重要であり、マーケティングダッシュボードは最適なツールと言えるでしょう。
マーケティングダッシュボードには、基本的な機能に加え、高度な活用方法があります。
その例として挙げられるのが以下のようなものです。
ビッグデータ分析により、将来を予測したり最適化を図ることが可能です。
過去のユーザー行動データを機械学習モデルで分析し、潜在顧客の可能性を予測
リードスコアリングにより、高品質なリードを特定し、営業リソースの最適配分を実現
マーケティング施策の投資対効果を予測し、最適な配分計画を立案
実際の結果を常にフィードバックし、AIによる自動最適化を実現
ダッシュボードを介したデータ連携で、業務の自動化と効率化を図ることができます。
マーケティングオートメーションツールと連携し、リードデータの自動取り込みを実現
CRMシステムの顧客データと統合し、ダッシュボード上で売上予測や商談状況を把握
広告最適化ツールと連携させ、パフォーマンスに基づいた自動入札調整を実現
KPIの乖離に対するアラート通知を設定し、リアルタイムで問題を検知
レポーティング自動化により、定期報告業務の手間を大幅に削減
ダッシュボードが提供するデータに基づき、エビデンスに根ざしたマーケティング施策を立案することができます。
最も効果の高かったコンテンツの分析に基づき、新たなコンテンツ戦略を検討
オーディエンス属性の詳細分析を行い、新規ターゲット層の特定を実施
リマーケティングリストの最適化や、新規キャンペーンの狙い撃ち施策の立案
ABテストの結果データを活用し、ランディングページのさらなる改善を実施
投資対効果の高い広告チャネルや地域にリソースをシフト
このようにデータ分析を起点としたマーケティング施策立案により、費用対効果を最大化することが可能になります。
マーケティングダッシュボードを導入すれば、さまざまな効果が期待できますが、その一方で、運用においていくつかの課題も存在します。
ダッシュボードが提供する情報は、意思決定の重要な根拠となります。そのため、データの質と信頼性を確保することが不可欠です。
データソースの正確性と整合性の担保が必要
データ取り込みプロセスのエラーチェック
データ加工ルールの統一と文書化
アクセス権限の適切な設定
データのバックアップと定期的な棚卸
ダッシュボードを真に活用するには、データ分析力の高いスキル人材が求められます。
ツール操作とデータモデリングのスキル
統計的な数理分析力
マーケティングに関する幅広い知見
データに基づく課題発見力と解決力
社内にこうした人材を確保・育成するための教育投資が必要不可欠となるでしょう。
マーケティングでは様々な部門がかかわるため、ダッシュボードを活用した部門横断的なデータ共有と連携が求められます。
営業部門とのリード管理連携
企画部門とのユーザー分析連携
経理部門との費用データ連携
製品部門とのプロダクトデータ連携
このように、データガバナンスの確立と社内コミュニケーションが欠かせません。
マーケティングダッシュボード運用には一定の難易度がありますが、その効果は絶大です。熟練人材の育成と、部門を越えたデータ活用体制を整備することが成功の鍵となるでしょう。
本記事ではマーケティングダッシュボードについて、その役割と機能、活用方法から導入時の留意点、高度な利用例、運用課題まで、多角的に解説しました。
デジタルマーケティングにおいてデータに基づいた意思決定が不可欠であることは論を待ちません。マーケティングダッシュボードは、そうしたデータドリブンな施策立案を下支えする重要なツールなのです。
是非、自社のニーズとリソースに合わせて、最適なマーケティングダッシュボードの導入を検討してみてください。そして徹底的なデータ分析と、部門横断的な連携を実現することで、マーケティングの高度化と収益最大化を目指していってください。