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2024/6/27
RFM分析は、顧客の購買行動を分析する手法の一つで、
Recency(最終購入日)
Frequency(購入頻度)
Monetary(購入金額)
の3つの指標を用いて顧客を分類し、セグメンテーションを行うもの。
この分析により、企業は顧客の価値や傾向を把握し、マーケティング施策の最適化を図ることができます。
本記事では、RFM分析による顧客セグメンテーションの方法と活用法について分かりやすく解説していきます。
RFM分析では、以下の3つの指標を用います。
Recency(最終購入日):顧客が最後に購入した日付。最近購入した顧客ほど高いスコアを与えます。
Frequency(購入頻度):顧客が一定期間内に購入した回数。頻繁に購入する顧客ほど高いスコアを与えます。
Monetary(購入金額):顧客が一定期間内に購入した金額。高額な購入をする顧客ほど高いスコアを与えます。
これらの指標を組み合わせることで、顧客の価値や特性を多面的に評価することができます。

RFM分析では、各指標のスコアを算出し、それらを組み合わせて顧客をセグメント化します。
例えば、以下のようなセグメントが考えられます。
ハイバリュー顧客:最近の購入があり、購入頻度が高く、購入金額も大きい顧客
休眠顧客:最終購入日が古く、購入頻度も低い顧客
新規顧客:最近初めて購入した顧客
離脱の危険がある顧客:以前は購入頻度が高かったが、最近購入がない顧客
これらのセグメントごとに、適切なマーケティング施策を立案・実行することで、顧客の満足度向上や売上拡大につなげることができます。
RFM分析は、EC事業者やD2Cブランドを中心に幅広く活用されています。
例えば、あるアパレルD2Cブランドでは、RFM分析を用いてハイバリュー顧客を特定し、特別な割引やプレセールへの招待を行ったところ、売上が20%向上したという事例があります。
また、RFM分析で休眠顧客を特定し、リアクティベーションキャンペーンを実施することで、休眠顧客の購入を促すことにも成功しています。
RFM分析を実践するためには、顧客の属性データを収集することが重要です。
属性データには、年齢、性別、居住地、職業など、顧客の特性を表す情報が含まれます。これらのデータを収集することで、顧客の嗜好や行動パターンをより深く理解することができます。
属性データの収集には、会員登録時のアンケートや、購買履歴との紐づけなどの方法があります。
また、弊社では、属性データの収集と分析に特化したツール「タナカさん」を提供しています。「タナカさん」を活用することで、効率的に属性データを収集・管理し、RFM分析との組み合わせで、より精度の高い顧客理解が可能になります。

RFM分析の核となるのは、購買行動データです。
購買日時、購入商品、購入金額、購入チャネルなどの情報を収集・蓄積しましょう。これらのデータは、ECサイトやPOSシステムから取得することができます。
購買行動データを活用する際のポイントは、データの粒度を適切に設定することです。
例えば、日別の購買データでは傾向が見えにくい場合、週別や月別に集計することで、トレンドを把握しやすくなります。また、購入商品を大カテゴリ・小カテゴリに分類することで、顧客の嗜好をより詳細に分析することができます。
収集したデータを分析に活用するためには、データの整理とクレンジングが必要です。
具体的には、以下のようなステップを踏みます。
データの統合:異なるソースから収集したデータを、統一のフォーマットで統合します。
重複データの削除:同一顧客の重複データを削除し、データの一意性を確保します。
欠損値の処理:購入履歴がない顧客などの欠損値を適切に処理します。
外れ値の処理:極端に高額な購入や、異常に古い最終購入日などの外れ値を特定し、適切に処理します。
これらのステップを経て、分析に適したデータを準備することができます。
RFM分析では、Recency、Frequency、Monetaryのそれぞれに対して、5段階(1~5)のスコアを割り当てます。スコアの計算方法は以下の通りです。
各指標の値を昇順に並べ替えます。
指標ごとに、値を5つの区間に分割します。
最も高い区間(最近の購入、高頻度、高金額)を5、最も低い区間を1とします。
各顧客に、3つの指標のスコアを割り当てます。
例えば、あるEC事業者の場合、以下のようなスコア設定になります。

こうして計算されたスコアを元に、顧客をセグメント化していきます。
RFMスコアを元に、顧客を複数のセグメントに分類します。セグメント分けの基準は、業種や事業特性によって異なりますが、一般的には以下のようなセグメントが設定されます。

これらのセグメントは、RFMスコアの組み合わせによって自動的に分類することができます。ただし、事業特性に応じて、セグメントの定義を調整する必要があります。
セグメント別に、顧客の特徴や行動傾向を分析することで、マーケティング施策の立案に活かすことができます。例えば、以下のような分析が考えられます。
VIP顧客の購入商品カテゴリや価格帯の分析
休眠顧客の休眠期間と再アクティベートのトリガーの分析
新規顧客のリピート率と2回目以降の購入金額の分析
これらの分析により、セグメントごとの最適なアプローチ方法を検討することができます。
RFM分析の結果は、データビジュアライゼーションツールを用いて可視化し、社内で共有することが重要です。
セグメントの特徴や傾向を直感的に理解する方法として、例えば、以下のような可視化が考えられます。
3D散布図:Recency、Frequency、Monetaryの3軸で顧客をプロットし、セグメントごとの分布を表示する。
ヒートマップ:セグメントごとの購入商品カテゴリや価格帯を色の濃淡で表現する。
ツリーマップ:セグメントごとの顧客数や売上高を面積の大小で表現する。
これらの可視化結果は、経営層やマーケティング部門、営業部門など、関連部署と共有することで、データドリブンな意思決定を促進することができます。
セグメンテーションが出来たら、セグメントごとに代表的な顧客像(ペルソナ)を設定し、そのニーズや課題を把握することが重要です。
ペルソナ設定には、属性データや行動データ、アンケート結果などを活用します。
例えば、VIP顧客のペルソナは、「40代の高収入男性、ブランドロイヤリティが高く、最新トレンドに敏感」というように設定できます。一方、休眠顧客のペルソナは、「30代の女性、ライフイベントを機に購入頻度が低下」といった特徴が考えられます。
ペルソナのニーズを深く理解するためには、インタビューやアンケートを実施することも有効です。
弊社のツール「タナカさん」を活用することで、セグメントごとにターゲットを絞ったアンケートを実施することができます。
ペルソナのニーズを踏まえて、セグメントごとのパーソナライズ施策を立案します。
施策のアイデア出しには、マーケティング部門だけでなく、営業部門やカスタマーサポート部門など、顧客接点を持つ部門の協力が欠かせません。
施策のアイデアとしては、以下のようなものが考えられます。
VIP顧客向け:限定商品の先行販売、専用コンシェルジュサービスの提供
休眠顧客向け:再購入を促すリアクティベーションキャンペーン、ニーズに合わせた商品レコメンド
新規顧客向け:ウェルカムクーポンの提供、オンボーディングメールの最適化
出されたアイデアは、実現可能性、期待効果、リソース要件などの観点から優先順位付けを行い、優先度の高い施策から順次実行に移していきます。
パーソナライズ施策を実行するためには、以下のようなツールや体制が必要です。
MAツール:セグメントごとにパーソナライズしたメールを配信するためのツール。
レコメンデーションエンジン:顧客の行動履歴や嗜好に基づいて、最適な商品を表示させて購入を促すためのツール。
パーソナライズ施策の効果を測定し、改善につなげるためには、PDCAサイクルを回すことが重要です。具体的には、以下のようなステップを踏みます。
Plan(計画):施策の目的、KPI、実行計画を定義する。
Do(実行):施策を実行し、結果を測定する。
Check(評価):KPIの達成度を評価し、課題を抽出する。
Act(改善):課題を踏まえて、施策を改善する。
効果測定には、売上高や購入者数などの定量的な指標だけでなく、顧客満足度や Net Promoter Score(NPS)などの定性的な指標も活用することが重要です。施策の効果を多面的に評価することで、より精度の高い改善につなげることができます。
データマーケティングとは、顧客データを活用して、マーケティング施策の最適化を図る手法です。
その目的は、顧客一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズされた体験を提供することによって、顧客満足度の向上、ロイヤリティの強化、売上の拡大を実現することです。
データマーケティングが重要視される背景には、顧客のニーズの多様化や、デジタルチャネルの普及などがあります。大量のデータを活用することで、顧客のニーズをより深く理解し、最適なアプローチを行うことができます。
データマーケティングのプロセスは、以下の4つのステップで構成されます。
データ収集:顧客データを収集し、統合する。
データ分析:収集したデータを分析し、インサイトを抽出する。
施策立案:インサイトを基に、マーケティング施策を立案する。
施策実行:施策を実行し、効果を測定する。
主要な施策としては、以下のようなものがあります。
セグメンテーション:顧客を特性に応じてグループ化する。
ターゲティング:セグメントごとに最適なアプローチを行う。
パーソナライゼーション:個々の顧客に合わせたコミュニケーションを行う。
リテンション:顧客との長期的な関係を構築し、ロイヤリティを高める。
これらの施策を効果的に実行するためには、データの利活用を支える基盤の整備が不可欠です。
RFM分析は、データマーケティングにおける重要な分析手法の一つです。
RFM分析により、顧客の価値や特性を把握することができ、セグメンテーションやターゲティングの基盤となります。
ただし、RFM分析はあくまでも顧客の購買行動に着目した分析手法であり、顧客の属性や嗜好、感情などは直接捉えることができません。そのため、RFM分析と併せて、以下のような分析手法を活用することが重要です。
顧客属性分析:年齢、性別、居住地などの属性情報を分析する。
行動分析:Webサイトでの閲覧行動、商品検索履歴などを分析する。
感情分析:レビューやソーシャルメディア上の投稿から、顧客の感情を分析する。
これらの分析手法を組み合わせることで、より多面的な顧客理解が可能になります。
データマーケティングを成功させるためには、データ活用を支える組織体制の構築と、データドリブンな意思決定を促すマインドセットの醸成が必要です。
組織体制としては、以下のような役割が重要です。
データエンジニア:データの収集、加工、管理を担う。
データアナリスト:データの分析とインサイトの抽出を担う。
マーケター:インサイトを基に施策を立案・実行する。
これらの役割が連携し、データを中心としたPDCAサイクルを回すことで、データマーケティングの効果を最大化することができます。
また、経営層を含む全社的なデータドリブンカルチャーの醸成も欠かせません。データに基づく意思決定を促し、失敗を恐れずに施策を実行・改善していく姿勢が重要です。
RFM分析は、顧客の購買行動に基づく分析手法ですが、近年では、よりパーソナライズされたアプローチを実現するための新たな手法が注目されています。
その一つが、機械学習を活用した予測モデリングです。顧客の属性や行動履歴などのデータを基に、購買確率や生涯価値(LTV)を予測するモデルを構築することで、個々の顧客に最適なアプローチを行うことができます。
また、リアルタイムデータを活用したダイナミックなパーソナライゼーションも注目されています。例えば、ECサイト上での顧客の行動を分析し、リアルタイムに最適な商品レコメンドやオファーを表示する手法などが挙げられます。
これからのデータマーケティングでは、RFM分析の枠組みを超えて、より高度なデータ分析・活用手法が求められるでしょう。一方で、RFM分析は、シンプルかつ効果的な手法として、今後も多くの企業で活用され続けると考えられます。RFM分析の本質的な考え方を理解しつつ、新たな手法を取り入れていくことが、データマーケティングの成功の鍵となるでしょう。
<FAQセクション>
Q. RFM分析に必要なデータ量の目安は?
A. RFM分析を行うためには、ある程度のデータ量が必要です。最低でも1年分の購買データがあることが望ましいでしょう。ただし、事業の特性によって必要なデータ量は異なります。
Q. RFM分析の実施頻度はどのくらいが適切?
A. 業種や事業特性によって異なりますが、一般的には月次や四半期ごとに実施するのが適切です。ただし、キャンペーンの効果測定など、特定の目的がある場合は、都度実施することも有効です。
Q. RFM分析とABC分析の違いは?
A. RFM分析が購買の「最近度」「頻度」「金額」に着目するのに対し、ABC分析は、売上高や利益率など、金額的な指標に基づいて顧客を分類する手法です。両者は相互補完的な関係にあります。
Q. RFM分析で顧客生涯価値(CLV)を計算できるか?
A. RFM分析自体は、CLVを直接計算する手法ではありません。ただし、RFMスコアとCLVには一定の相関関係があるため、RFMスコアを用いてCLVを推定することは可能です。
Q. RFM分析とRFMC分析の違いは?
A. RFMC分析は、RFM分析に「Channel(チャネル)」の要素を加えた分析手法です。顧客がどのチャネルで購買しているかを考慮することで、より詳細な顧客像を捉えることができます。
Q. RFM分析の結果をマーケティングオートメーションに活用する方法は?
A. RFM分析で抽出したセグメントを、マーケティングオートメーションのセグメント機能に取り込むことで、セグメントごとにパーソナライズしたメールを配信することができます。
Q. RFM分析を用いたリピート率の改善方法は?
A. RFM分析で抽出した「休眠顧客」や「新規顧客」に対して、リアクティベーションキャンペーンや、リピート購入を促すメールを配信することで、リピート率の改善を図ることができます。
Q. RFM分析とデータビジュアライゼーションツールの連携方法は?
A. RFM分析の結果をCSVやExcelファイルでエクスポートし、それをデータビジュアライゼーションツールにインポートすることで、視覚的に分かりやすい形で分析結果を共有することができます。