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問い合わせに返信し、必要な案内も伝えた。それでも、顧客が困っていたことまで解消できたとは限りません。
「丁寧に説明してもらえたけれど、知りたいことはわからなかった」「一部は対応してもらえたが、その後どうすればよいか迷っている」。こうした声は、対応履歴だけでは見落としやすいものです。
問い合わせ対応を改善するには、やり取りへの満足度に加えて、顧客の要望にどこまで対応できたのかを確かめる必要があります。評価とその理由、対応しきれなかった内容を合わせて見ることで、見直すべき点が具体的になります。
本記事では、5問の顧客アンケートを使い、問い合わせ対応への評価と残された課題を把握して、改善につなげる方法を紹介します。
問い合わせ対応では、返信の速さや言葉遣い、説明のわかりやすさなどが重視されます。いずれも大切ですが、顧客が問い合わせる目的は、丁寧な対応を受けることだけではありません。使い方を知りたい、手続きを進めたい、起きているトラブルを解消したいといった、具体的な困りごとがあります。
例えば、設定方法について問い合わせた顧客に、マニュアルの該当ページを案内したとします。担当者は必要な情報を伝えたつもりでも、顧客が操作を進められなければ、困りごとは残ったままです。

反対に、希望どおりの対応ができなくても、その理由や代わりの方法を説明することで、顧客が納得する場合もあるでしょう。要望に対応できたかどうかと、やり取りに満足したかどうかは、必ずしも一致しないのです。
そのため、問い合わせ対応の評価を満足度の点数だけで判断すると、改善点を捉えきれないことがあります。高評価の回答にも未対応の要望が含まれているかもしれませんし、低評価の背景には、説明の不足や待ち時間への不満があるかもしれません。
カスタマーサポートの対応履歴と顧客の評価を照らし合わせれば、企業側が「対応済み」と考えていたやり取りに、どのような課題が残っているかを検討できます。
問い合わせ対応を振り返るアンケートは、実際にカスタマーサービスを利用した顧客に送ります。やり取りの内容を思い出しやすいよう、対応が一区切りついた時点で案内するとよいでしょう。継続中の相談を含める場合は、その時点での評価だとわかるようにしておくことも大切です。

カスタマーサービス評価テンプレートには、次の5問が用意されています。
最近のカスタマーサービスとのやり取りをどのように評価しますか?
(「とても不満」から「非常に満足」までの5段階評価)
Q1で答えて頂いた評価の理由を教えてください。
(自由記述)
お話ししたカスタマーサービスの担当者は、あなたのリクエストに対応してくれましたか?
(はい/部分的に/いいえ)
彼/彼女があなたを助けることができなかったことは何ですか?
(自由記述)
その他改善してほしい点があれば教えてください。
(自由記述)
最初の2問では、対応全体への満足度と、その評価を付けた理由を確認します。「説明がわかりやすかった」「返信まで時間がかかった」など、点数だけではわからない体験を知るための組み合わせです。
続く2問は、要望への対応状況と、対応しきれなかった内容を探るもの。「部分的に」という選択肢があるため、すべてに対応してもらえたわけではない顧客も、状況に近い回答を選べます。
ただし、「リクエストに対応した」という回答だけで、問題が完全に解決したとは判断できません。解決状況まで確認したい場合は、「今回の問い合わせで、困っていたことは解消しましたか?」といった設問を追加する方法もあります。
設問の表現は、自社の顧客に合わせて調整してください。例えば、4問目は「今回の対応で、解消しなかった困りごとがあれば教えてください」とすると、尋ねたい内容が伝わりやすくなります。3問目で「はい」と答えた人には4問目を表示しない、あるいは任意回答にするなど、回答の負担を抑える工夫も有効です。
回答が集まったら、満足度の平均点だけでなく、同じ回答者の対応状況と自由記述を合わせて確認しましょう。評価の組み合わせによって、見直す方向が変わります。

これらは原因を決めつけるための分類ではなく、確認する順番を考える手がかりです。例えば、満足度が低くても、待ち時間が原因なのか、説明が難しかったのかは、評価理由を読まなければわかりません。
自由記述は、「説明・案内」「対応の速さ」「引き継ぎ」「対応できる範囲」など、内容ごとに整理すると改善につなげやすくなります。

「案内された手順では操作できなかった」という声があれば、利用環境に合った説明ができていたかを確認する。「別の窓口で同じ説明を繰り返した」という声なら、担当部署への引き継ぎ方法を見直す。回答を具体的なやり取りと結び付けることで、改善策を考えやすくなるはずです。
また、対応できなかった要望を、すべて担当者個人の問題として扱わないことも重要です。判断に必要な情報が不足していた、他部署への確認に時間がかかった、サービスの仕様上対応できなかったなど、体制や仕組みに原因がある場合も考えられます。
改善の優先順位は、意見の件数と顧客への影響を合わせて判断します。繰り返し寄せられる不便に加えて、件数が少なくても利用や手続きを妨げる課題には目を向けたいところです。変更後も同じ聞き方で評価を集めれば、残された困りごとや評価理由に変化があるかを確認できます。
問い合わせに答えることと、顧客が次の行動に進めることには、隔たりがある場合があります。その隔たりを埋めるには、満足度の点数とともに、対応後も残っている要望を読むことが大切です。
説明を直すのか、引き継ぎを整えるのか、対応できる範囲をわかりやすく伝えるのか。顧客の声を具体的な見直しにつなげることで、「返信した」で終わらない問い合わせ対応を目指せます。