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2025/6/10
Cookieの廃止が進む中、多くのマーケターが「今後、どうやって顧客の嗜好を把握すればいいのか」頭を悩ませているでしょう。その悩みを解決する方法として注目されるのが「ゼロパーティデータ」です。
本記事では、ゼロパーティデータとは何か、なぜ重要なのか、そして、どのように顧客セグメンテーションやターゲティングに活用できるのか、分かりやすく解説します。
ゼロパーティデータとは、顧客が自ら進んで提供する情報のこと。
たとえば、
サイト訪問時のポップアップアンケート
会員登録時の好みの選択
フィードバックフォーム
チャットボットとのやり取り
メールフォームでの問い合わせ
などで取得することができます。
ユーザーが自分の意思で伝えてくれる情報のため、正確で信頼性が高く、プライバシーにも配慮できるのが特徴です。
ゼロパーティデータは、ここ数年で急速に注目を集めているデータ活用方法です。その背景にあるのが
サードパーティCookieの廃止
ユーザーのプライバシー意識の高まり
正確で意味のあるデータ収集
などです。
それぞれの理由について、詳しく解説していきます。
これまで、企業は「サードパーティCookie」という仕組みを使って、ユーザーの行動を追跡し、広告やコンテンツをパーソナライズしてきました。
例えば、Aというサイトを見た後に、Bというサイトでも同じ商品の広告が表示される、という体験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?
これは、あなたの行動履歴を「別の会社」がCookieを使って追いかけることで起こる現象です。
このようなサイトをまたいだ追跡(クロスサイトトラッキング)は、便利な反面、「勝手に監視されているみたいで気持ち悪い」と感じる人が増えてきて、プライバシー保護の観点から問題視されるようになったことで、サードパーティCookieは世界的に廃止されつつあります。
実際に
AppleのSafariやFirefoxでは、すでにサードパーティCookieをブロック
Googleも2025年中に、ChromeでのサードパーティCookieのサポートを完全に終了する予定
となっています。
つまり、これまで当たり前のように行っていた「ユーザーの行動データを裏側で収集する広告手法」が使えなくなるということ。
この変化によって、企業は「どうやってお客様のことを理解すればいいのか?」という大きな課題に直面しています。
そこで注目されているのがお客様自身が自ら答えてくれる「ゼロパーティデータ」です。これにより、裏で追跡するのではなく、ユーザーの同意を得たうえで、より深く、正確に顧客を理解することができます。
「どこかで一度見た商品が、他のサイトやSNSでも出てくる」という体験も以前は「パーソナライズされた体験」として歓迎されることが多かったのですが、最近では、自分が知らないうちにデータが収集されていたり、勝手に共有されることを不安に感じる人が増えています。
このような状況を受けて、GDPRの制定や個人情報保護法の改定が行われるなど、世界各国でプライバシーを守る法律や規制が次々と導入され、企業側に「透明性」と「同意」が求められる時代になっています。
その点、ゼロパーティデータはユーザーが自分の意思で提供する情報なので、同意が取れており、かつ信頼性が高いというのが大きな特徴です。
Cookieによる行動データの収集はマーケティングに役立つものですが、「なぜそれを見たのか」や「どのような気持ちだったのか」などの背景などは把握できません。
例えば、あるユーザーが高級コーヒーメーカーの商品ページを10分間見ていたとします。
しかしその理由が
買いたいと思って見ていたのか
価格が高すぎて迷っていたのか
単に口コミだけを見ていたのか
という「背景」や「感情」は読み取ることができず、マーケターは推測に頼り、時には的外れな施策を打ってしまうこともあります。
一方、ゼロパーティデータはユーザーに直接質問して得られる「明確な意思表示」です。
たとえば、
どのような用途に用いますか?
何に困っていますか?
重要視しているポイントは?
などの質問にユーザーが答えてくれることで、「どんなニーズがあるのか」「なぜその商品に興味を持っているのか」が言葉として明確に分かります。
つまり、行動データは「何をしたか」を示すのに対し、ゼロパーティデータは「なぜそれをしたのか」という行動の動機を知ることができるデータなのです。
また、ゼロパーティデータの活用はユーザーにとっても
無駄な広告やおすすめが減った
自分の希望を理解してくれている
商品選びが楽になった
という体験につながるものであり、結果的にブランドへの信頼感やロイヤルティ向上にもつながります。
では、実際にゼロパーティデータを使ってどのように顧客をセグメントし、ターゲティングしていくのか、5つのステップに分けて説明します。
まずは、自社の理想的な顧客像(ペルソナ)を明確にします。
例えば、ヘルスケア系サプリメントを販売しているブランドなら
健康意識が高い30代〜40代の働く女性
筋トレやランニングを日課にしているアクティブな男性
年齢による体調変化が気になり始めた50代の方
といったペルソナが考えられます。
この段階では、「どんな情報を集めればこれらの人たちを見分けられるか?」を考えておくことがポイントです。例えば、
日頃、どんな健康週間を取り入れていますか?
サプリメントを選ぶときに重視するのは何ですか?
体調面で気になっていることはありますか?
などの質問によって、目的や価値観に基づくセグメントを作る土台ができます。
最初から多くの質問をすると、離れてしまうユーザーも少なくありません。
そこで有効なのが「プログレッシブプロファイリング」です。これは、段階的に時間をかけて情報を集めていく手法です。
具体的には、
初回訪問時:ポップアップで「お探しの商品タイプ」を質問
メルマガ登録時:「興味のあるカテゴリ」を選択
購入後:「商品選びで重視する点」を質問
というように、ユーザーの負担を最小限にしながら、顧客像を少しずつ明確にしていきましょう。
ゼロパーティデータ単体でも役立ちますが、より効果を高めるには「ファーストパーティデータ」と組み合わせるのがおすすめです。
ファーストパーティデータとは顧客の行動データで、購入履歴や商品の閲覧履歴、メールの開封状況やカート放棄履歴などが該当します。
例えば、「カートに入れたけれど買わなかったユーザー」の中から、「年齢とともに疲れやすくなった」と回答した人を抽出すれば、疲労回復やエネルギー補給に特化したサプリメントを紹介することで、非常に制度の高いリターゲティングが可能になります。
CRMを使って、ゼロパーティデータに基づいた自動セグメンテーションを行いましょう。
条件を設定しておくことで、新たなデータが登録されるたびに顧客が自動的に適切なセグメントに分類されます。
たとえば
商品Aに興味あり+2回以上購入→VIPセグメント
疲労回復サプリに興味あり+メルマガ未開封→リマインダーセグメント
という条件でセグメントを作成しておけば、そのユーザーに対して「エネルギーチャージに役立つ栄養素を紹介するメール」などを自動で送ることができます。
このような仕組みを作っておくことで、ユーザーごとに最適なメッセージを届けられ、マーケティングの効率が飛躍的に高まります。
最後は、構築したセグメントごとに「響くメッセージ」を届けましょう。
たとえば
忙しい働く女性には「1日1粒でOK!忙しくても続けやすい健康週間」
アクティブに運動する男性には「運動後の回復をサポートするアミノ酸配合サプリ」
年齢による不調を感じ始めた50代には「年齢に負けない体づくりを応援する栄養補助食品」
のように、同じ製品カテゴリーでも、ペルソナごとに切り口を変えてメッセージを届けることで、反応率や購入率の向上が期待できます。
半袖ポロシャツが定番のラコステジャパンでは、長袖ポロシャツの販売拡大をめざし、ECサイト上で「次回チャレンジしたい長袖ポロシャツの色」や「活用シーン」などについて尋ねるアンケートを実施。この際、アンケートに答えた方の中から抽選で5名に、投票の多かったカラーのポロシャツをプレゼントするインセンティブを提供しました。
また、ロイヤル顧客を対象に、アウターのデザインの好みやこだわりを尋ねるアンケートを実施し、顧客の趣味嗜好や購買意欲の収集も行いました。
この2つの施策により、従来のアンケートよりも高い参加率を達成し、顧客IDと収集データを紐づけることで店舗での接客に活用できるデータを収集して顧客一人ひとりに合わせた商品提案が可能となりました。
ゼロパーティデータは、これからの時代のマーケティングに欠かせない武器です。Cookieに頼る時代は終わり、これからは「顧客との対話」から得られる情報こそが、パーソナライゼーションとセグメンテーションを進化させます。
顧客からの情報を正しく集め、活用すれば、広告が「押しつけ」ではなく「共感」になります。まずは、気軽に答えてもらえる1問のアンケートから始めてみませんか?
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